こんばんは、小難しい内容が多い当HPの管理人、木全です。
だいぶ春めいてきたので今回も小難しい話しをしたいと思います。
本日はインプレッサGC8の作業をご紹介。
作業内容はフロントパイプ交換とミッションのアウトプットシャフトとカウンターシャフトのベアリングとバックラッシュ調整。
リヤケースからシャーと音が出ており走行状態によってはガーっと激しい音がするという・・・。
競技車両ではよく聞く音ですが、この車はストリート車なので交換と調整。
一番の原因はミッションオイルですね。
柔らかすぎるオイルはミッションには向いていません。 シャビシャビでした。
純正は75W-90の粘度なのですが、TY754ミッションなら5速ですしもっと硬くても大丈夫。 まずは弱いミッションをできる限りオイルで守ってあげましょう。
粘度は走るステージとエンジンパワーによってある程度決めることができます。
ですが、大事なのは油膜保持性能と操作感だと思います。
実はオイルによって結構特性が違ってシフトフィーリングや4駆ならフロントデフ・センターデフの効き具合も変わってくるんです。 機械式LSD入ってるなら顕著に出ます。
僕はワコーズをおススメさせていただいていますが、ワコーズの中でも同じ粘度でも種類によって特性が違います。
例えば同じ80W-140でもWR-GとHG-Rというオイルがあります。 HG-Rの方が定価でリッター300円程高いのですがこの2種類結構特性が違いまして☆
・・・・・・・・・。
またも脱線しそうなので話しを戻して・・・。 とにかくオイルが入る所には「その車の現状」に合ったオイルを選択することが大事です。
そのうえで金属ですから多少削れたり潰れたりしてくるので、そうしたら各部のクリアランスを調整してあげればいいんです。
これはシムの厚さを測っているのですが、数字が見えますか??
0.995です。
1000分の一ミリ単位です。 ミクロン単位です。
正直シムが割とアバウトにしかサイズがないのでキッチリ!はムリですが(;^ω^)
もう一枚寝転がってるシムは1.5ミリに対して1.475でした。
結構削れていたので交換です。
クリアランスをキッチリ合わせたミッションのフィーリングってすごく気持ちがいいんですよ☆彡
ちなみにエンジンの場合はこのミクロ単位でキッチリ組み上げていきます。
特にクランク・コンロッドのメタル部分は超重要です。
せっかくなのでプライベートでエンジンを組んでる方に少しアドバイスを。
メタルクリアランスって大体はプラスチゲージで測る方が大半だと思います・・・が。
街乗りする車ならそれで構わないですが、競技やレース・走行会で使用するならその想定方法はあまりおススメできません。
最も確実で正確なのはマイクロメーターとシリンダーゲージでの測定です。 いくつかの箇所で測定できるので真円度も分かりますしね。
メタルはオイルのみで潤滑していますから、例えばサーキットを何十周もするレースの出る場合は熱によるコンロッドなりクランクなりの熱膨張も考えて調整しなければいけません。
熱膨張は材質にもよって違いますからよく考えて選定してください。
そしてこのわずかなクリアランスをエンジンオイルで保っているわけですからエンジンオイル選びは超重要ですよ(;^ω^)
安いオイルをマメに交換・・・は絶対におススメしません。
そして測定をするときは必ず室温20℃で行うようにしてください。 僕が試しに測定した感じですと5℃違うと・・・・あ、ここは企業秘密にしときます(笑)
ですが、この測定方法にもデメリットがあります。
それは測定者の技術によってだいぶ測定結果がズレてしまうということと、測定物に傷がつきやすいということです。
プラスチゲージなら測定物に傷はほぼつきませんし、ある程度ボルト・ナットの締め付けトルクが守られていれば測定結果は大きく変わらないでしょう。
ですが。 実際にマイクロメーターとシリンダーゲージで測定するとプラスチゲージでの測定とかなり違うことが多いんです(;^ω^)
というか、所詮はプラスチゲージは「潰れ」での測定ですし、「ん~~~、だいたいこのくらいかなぁ」的なアバウトな測定です。 真円度も分かりません。
気持ちが良く、速くて壊れにくいエンジンを作るにはキッチリ測定が大事です★
今回もだいぶ長くなってしまいましたのでこの辺でっ!!