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ちょっとウンチク(笑)

進化する車検整備内容~ブレーキは特に重要編~

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別の記事でも取り挙げましたが、国土交通省は2月28日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、自動車検査証(車検証)の有効期間を延長すると発表しています。

 

2月28日から3月31日までの間に車検証の有効期限が到来する自動車でについて、全国一律で4月30日まで有効期間を伸長するとのことなのでもちろんこの期間内に通常通り車検を受けられてもいいですし、外出を控えられるのであれば4月30日まで車屋さんに連絡して待ってもらうのもいいかと思います。その際はかなり余裕をもって連絡・入庫の段どりを取ることをおススメします☆

ギリギリですと車両側に大きな不具合があった場合に大変ですからね(◎_◎;)

 

気MAXではしばらくの間、入庫していただいた車には納車時にできる限りの除菌処理をしてお渡しする方針にいたしました。

 

 

どこまで効果があるかは分かりませんが、やらないよりはマシかなと。

 

~今回は車検内容のお話し~

 

何度か車検内容については書いているので、等サイトをご覧になっている方は「安い」がウリの業者には頼んでいないとは思いますが・・・。

 

これから各メーカー共に電気自動車の流れになっていくのは間違いがなく、それに合わせて車検内容や整備内容も変わっていくのは必須(‘ω’)ノ

それでも現在の内燃機関が全て一気に無くなるとは考えにくく、今後の新車もそうですが現在までに発売された車を所有している人も皆がみんな一気に乗り換えるわけもなく、もし国が「電気自動車に乗り換え補助金100%出します」なんてキャンペーンを打ち出しても新規で車を買うことはあっても大切にしている車を手放すとは考えにくい・・。

 

ということはまだまだ内燃機関を搭載した今までの車の整備技術の必要性はあるということ。

そして今までの技術に加えて新技術が搭載されてきますから整備する側の頭ももどんどんアップデートしていかなければ淘汰されていくのは必須。

 

 

ハイブレッド車に始まり最近は故障診断機(スキャンツール)が車検整備だけでなく一般整備にはなくてはならなくなってきています。 まだ購入していない車屋さん(整備メイン)はこれからは必須というか現時点でもこれらがないとブレーキすら手を付けられなかったり、センサー類の交換や清掃後の学習もできない場合もあるかと思います。

僕の場合は車検時には必ず国産車だとECU(コンピューター)のエンジン・ボディ・ABS・電装系・総合全ての内容を点検させていただいてエラー歴があるか見させていただいています。

 

今のECUは非常に頭もよくCAN通信によりボディ等のECUとも情報を共有しており今まで走行中に何かセンサー類などにエラーが起きるとECUに記憶されています。 例えばステアリング系統にエラーが出ると担当ECUは違うけどABSの制御がおかしくなったらいけないからABSも作動やめますね~なんて制御もあったりします。

それはメーターのチェックエンジンとして運転手さんに伝えてくれますが、一過性のものであればエンジン再スタート時に消えてしまったりそもそもチェックエンジン点灯しなかったりと様々です。特に外車の場合は一度点灯すると消えない場合が多いです☆

いつもメーターを注意深く見ている方ばかりではないので、なかなか気付かないケースもあると思います。ECUの過去の履歴を見て車検から車検までの2年間の車の情報をできる限り引き出して、整備に生かします。

お医者さんで言う定期健診みたいなものですね。

 

そしてブレーキにしてもバラシて清掃してから運転手さんのクセや年間で走るであろう走行距離・メインで走るフィールド・車種等でどのように整備していくか決めています☆

 

コバックさんや早太郎さんのように車検の整備内容をテンプレ化すればほぼ誰がやっても同じような整備ができると思います。しかし僕の場合はコバックさんや早太郎さんのようにブレーキパッド残り何ミリ以下は交換!とかではなく一人一人の使用条件に当てはめています。  *どちらがいい悪いではなく自分に合うと思うお店選びでいいと思います。

 

それには前回の車検時の記録簿もとても重要になってきます。

 

例えばブレーキパッドですとデプスゲージというミリ数を図るゲージを使いパッドの残量を確認するのですが、例として近所のお買い物にしか使わないインプレッサXVの車検をするとします。

前回の車検時にはリヤのパッドが残り6ミリというデータが残っているとします。そして今回測ると5ミリだったとします。ということは2年間で1ミリ減ったという事ですよね。

5ミリというのは少し微妙な残量ではありますが、今後使用されるであろうシチュエーションをオーナーさんに聞いておき今までと同じような使用用途であれば次の車検までに同じように約1ミリほど減ると推測できます。

それに合わせてパッドの焼け具合やローターの摩耗具合・クラックやピストン・スライドピンの状態を見て整備内容を決めます。

 

同じ走行距離でもガツンとブレーキを踏む人や結構長くブレーキを引きずるように踏む人、結構手前からアクセルを放してあまりブレーキをかけない人では減り方が大きく変わってきます。

更にこれがある程度スポーツ走行する方の場合パッドの残量が減ってくるとローターからの熱がパッドの台座に伝わる時間が早くなり結果、べーパーロックしやすくなります。

このように今、残り5ミリという情報だけでは良い整備なんてできるハズがないんですね☆

 

それはある種、レストランでお客様の要望に応えてワインを選び提供するソムリエにも似た感じがあるように思います🍷

 

先日こんな事がありました。

車検でお預かりしたACR50のエスティマ。

フロント左のブレーキパッドの減りが左右で違いました。

1ポットや2ポットの方押しキャリパーではピストンの逆側の方が(押すより引っ張られる方が力は強い)よく減ったりしますが、今回はピストン側が減っています。  しかもパッドを清掃すると摩材が焼けていました。 乗り方からしてそんなに荒く乗るタイプのお客様ではありませんし、引きずりの可能性があるとしてスライドピン・キャリパーピストンの動きをチェック。 前回の車検から僕が整備させていただいているので案の定動きは良好。 けど組んでみるとやっぱり引きずっている。 しかし組んだ時にスライドピン部のボルトの締め付け具合が(ナメそうだな・・・)という違和感。

 

 

スライドピン自体は正常なのでキャリパーやローターブラケットを入念に調べていくとキャリパーの変形が見られました。

分かりますか? スライドピンをボルトで固定する箇所の右側が曲がっています。

これではスライドピンも斜めに動く形になりますからスムーズに動くはずがありません。 しかし正直曲がった原因がまったく分からず・・。スライドピンの動きが悪くブレーキをかけたときにネジれて動いてキャリパーが歪んでいったのなら分かりますが、スライドピンの動きは良好。誰かが落としたのか?も打痕等の傷は見られず・・。金属疲労と判断するしかないのですが、それならば若干の強度不足も考えれらますから同じキャリパーを使用しているアルファード等でこのような症状になった方がもしかしたらいるかもしれませんね。

歪んでいない程度の良い中古キャリパーを仕入れ、左右キャリパーともオーバーホールし金額を抑えながらもバッチリ直りました(*^^)v

 

これも前回の整備履歴が残っていたり脱着・清掃・焼け具合等の確認があったからですが、何よりオーナー様が信用して僕に整備を任せていただいているからこそ分かったトラブル。

別に僕がすごいとかじゃないんですよ。

やっぱり車検って大きな出費ですから、とにかく安く抑えたいなら今時安い車検業者なんてたくさんありますからね。 そういう業者に流されないのが素晴らしいなと。

けど、そういう業者って結構ブレーキをバラしていなかったりします。

そもそもバラしてないからこのようなトラブルも分かりませんし、パッドの残り残量も分かりませんし、というかいつどこでブレーキが効かなくなったりするか分かりません。当然ブレーキフルードも交換しないでしょう。

ブレーキのピストンを作動させるブレーキフルードは吸水性がありますから空気中の水分をほんの少しづつ吸っています。そして水分を含んで劣化したフルードはブレーキの熱によりブレーキキャリパー内や配管内でエアを作り出しいずれブレーキが効かなくなる時が来ます。

しかもその時には水分の含まれたブレーキフルードによってキャリパーのピストンやマスターシリンダー内は錆さびで多額のお金が必要になるでしょう・・・(-_-;)

 

このように予防整備というのはとても大事でひとえに車検整備をいっても誰がやるか?によってただの「お金のかかるめんどくさい制度」から「安心して生活するための定期健康診断」になるわけです(^^♪

 

なぜか車屋さんは「エンジンオイルだけ交換しておけば車は壊れない」なんていう人がいます。  確かにエンジンは壊れないかもしれません。

でも、僕はこう思います。

エンジンだけ元気で突然ブレーキが効かなくなるより、エンジンが壊れてもしっかりブレーキが効いて止まる方がいい

 

だって、エンジンが壊れても走らなくなるだけですけど、ブレーキ効かなくなったら車内の人はもちろん周辺の人も全員危険です。そんなんプリウスロケットと同じですよ(~_~;)

*もちろんエンジンも大事ですけど笑

 

車は生き物と違い自然治癒力はありませんから、誰かが車の声を聞いてケアをしてあげる必要があります☆

 

気MAXの整備もどんどんアップデートしています。 それは最新技術に対応していくだけでなく、例えば今回のブレーキで言えばパッドがスライドする金具にもブレーキのダスト(粉)が蓄積されていきます。このダストを綺麗に除去し、グリスアップを行う。これも以前から清掃はしていましたが更に綺麗に清掃するようにしています。

ビフォー

 

アフター

 

正直ここまでしなくてもブレーキは全然効きます。

 

けど、新品に比べたらダストのぜいでブレーキパッドの動きは必ず悪くなっている。そしてそれはこの先も除去しなければ良くなることはない。

新車が全体で100点満点だとすると年数を重ねると汚れや摩耗で点数はどんどん落ちていきます。この部分の清掃をしてももしかしたら0.5くらいの加点かもしれない。けど、それを4輪やったら2点にもなる。

そして人間の感覚というのは時にとてつもなく鋭いので0.5点の繊細な部分が積み重なっていけば「なんだかこの車、すごく操作感がいいなぁ」となると思っています。

 

 

~チリも積もれば山となる~

良い格言ですね( `ー´)ノ

 

 



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