こんにちは、だいぶ涼しい日が多くなってきましたね。
季節の変わり目は風邪をひきやすいので注意しましょう♪
さて、S200V ハイゼットカーゴのエンジン不調の修理のご依頼をいただきました。
一応エンジンはかかるものの、アクセルを踏むとエンストしてしまうという症状。
まずは診断機にかけてみるとスロットル系異常とVVT異常。
S200V系は本当に多いんですが、VVTのカムシャフトがダメになってしまうとかなり高額な出費になることが多く、できればカムシャフトは生きていてほしいと願っていたんですが・・・。
点火時期、エンジンの圧縮を測り、タイミングベルトのズレもないことを確認。
カムシャフトをばらしてみると
見えにくいですが、右側のVVTプーリーを固定している画像中央付近の大きなナットが緩んでしまっています。
緩むだけならまだいいんですが、ナットが緩むと当然プーリーの抑えがなくなり小さいキー(ピン)を軸にしてプーリーが暴れてしまいます。
すると、カムシャフトのキー周辺が削られたり割れてしまうというわけなんです・・・。
真ん中の穴にキーが入ります。 その横が削れてしまっていますよね。
こちらはVVTプーリー。溝が削れ、しかも本体には亀裂が入っています。
正直エンジン本体の中古はたくさんありますが、カムシャフト単体での中古ってほぼ無くて高額の交換費用になってしまうので、僕もお客さんにとてもお伝えしにくい修理です・・・。
さて、ご了承を得たので修理に入ります。
ここで注意!!
先程緩んでいたVVTプーリーロック用の大きなナットを締めるSST(特殊工具)を持っている車屋さんは少ないようで、ナットをバイスにかけてカムシャフトの六角部分をモンキーで締め付けている車屋さんを結構見かけますが、絶対にダメです!
正確な締め付けトルクで締め付けれないばかりか最悪の場合カムシャフトが歪んでしまいます。
みなさん案外知らないんですが、カムシャフトやクランクシャフトって雑に扱うとすぐに歪んでしまうんですよね。
もちろんよほどのゴリラのような怪力でなければ目に見えて思いっきり歪むことはないと思いますが、ダイヤルゲージで計測するとしっかり歪んでますからね。
なので、ポーンと置くのも禁物で、赤ちゃんを扱うように優しく扱ってやってください・・。
それでもそのままだとハッキリ言って緩みやすいと思います。
ナットのかかり具合が非常に少ないというか、整備士なら分かると思うのですが、締め付けた時の感覚が「グ」なんですよ(笑)
粘って「グッ」とか「グ~」じゃないんですよ。 これは部品の設計に問題があると思っています。
なので、また再修理は絶対に嫌なので当店では対策をして組み付けさせていただいています。
あとは基本に忠実に徹底洗浄も大事です。
ちゃんと既定のトルクで締め付けてあげるためには細かい気配りができるかも大きく関わってきますからね。
ブルブクリアランスも調整し、修理完了後はECUリセットし、快調になって納車させていただきました。
すごい雲があったので写真撮っていたらジロジロ見られてしまいましたよ(;^ω^)