脱線しまくった前回に続いて、今回も車検での整備について書いていきたいと思います。
車検での整備内容というのは実は結構細かく定められていて、例えばエンジンならば油脂類のチェックや燃料パイプ等の亀裂、排気ガスのチェック等たくさん項目があります。
まずはその項目に沿って点検するのですが、正直その項目を全てチェックしている整備工場さんはどれだけいるでしょうか・・・(^^;)
というか、その項目自体が古い車を元に作成されていて現行車にはない機構もあるんです。
まぁ、足回りにこだわる僕から言わせてもらったら特に車検時に測るサイドスリップ(フロントタイヤの横スベリ量を測っています)って全くとは言いませんが、現代の車には向いていないんですよね。
アライメントをたくさん調整してくると分かってくるんですが、最近の車はキャンバー角がマイナス方向に調整してある車が多いんです。
それはボディ剛性も高くなり、タイヤも昔よりハイグリップとなり純正の状態で車高が結構低いから対地キャンバーをマイナス方向にし、ある程度のスピードレンジでの操縦性・接地性を上げるためなんです。(ちょっと難しい内容ですいません💦)
簡単に言えば車を正面から見た時にタイヤが「ハ」の字になっていると思ってもらえればオッケーです。 ハの字は極端ですが・・・。
トーとの兼ね合いの話しになるのですが、また脱線しそうなのでこの話しはまたそのうちに(^^;)
とりあえず各項目に沿って沿って整備をしていくわけなのですが、車って本当にたくさんの部品から成り立っています。
機械ものですから当然壊れたりすることもあるんです。 どれだけ品質管理しても個体差というのは必ず工業製品には出てきますから。
ボルトも規定トルクで締めても緩んでくることもあるんです。
お客さんが異音等に気が付いて「最近変な音がするんだけど・・・」と言ってくださる場合は初めから故障個所があると思って点検するのでいいのですが、大半の場合はお客さんは気づいていない場合が多く、いかにその車の現状をしっかり把握して整備又は修理できるかがポイントになってきます。
それはもうその整備を担当する整備士の経験と勉強量と性格によるのではないかと(◎_◎;)
例えば足回りも車検時にはチェックするのですが、ハブベアリングといってタイヤを円滑に回す軸受けがあります。
画像参照。 ここにボルトかナットでタイヤを取り付けてグルグルと回ります。
ものすごく分かりやすく極端に言うとハブを洗濯機だと思ってください。 中のドラムにタイヤがくっついてると想像してもらえればオッケーです。
新品の洗濯機は音も静かでドラムもあまりブレていませんよね? (洗濯機に関しては詳しくないので実際は偏芯してるんだよ!とかの話しは置いておいて(^^;))
それが古くなってくるとガッタンガッタン凄い音がして洗濯機が移動してしまうほどになりますよね? ちなみの僕の家の洗濯機は移動します(笑) もはやエクソシストなわけですよ。
では、そのガッタンガッタンがタイヤだったと想像するとどうでしょうか・・・?
車の場合はあそこまでブレたりはあまりしませんが、ガタガタになっている車もよくありますし、これがまた結構お客さんが気が付いていないことが多いのです。
このガタもやはり経験が無いとなかなか気が付きにくいものです。 異音があるもの。 ガタがあるもの。 異音もなくガタもないんだけど、ノックバックが発生しているもの。
症状は様々です。
先程の画像の真ん中の大きなナット(センターナット)を緩めて初めてガタが分かる車もあります。
スバルの貧弱ハブ等・・・(-_-;)
ここはモータースポーツで車の弱い箇所を知っているかも大きな要素かなとも思います。
僕はラリーやってますから何度このハブで怖い思いをしたことか・・・。
今回書いた例はほんの一部です。 このような点検をエンジン・ミッション・ブレーキ・ボディ・電装と総合してチェックして整備をするわけです。
一般のお客さんはモータースポーツをやるわけじゃありません。 けど、普段使うのって場合によってはもっと過酷だったりするわけです。
頻繁にエンジンをかけたり止めたり。
タイヤの空気圧をこまめに調整しなかったり。
本当は一年ごとの点検が法令で義務づけられているにもかかわらず2年の車検時にしか点検に出さない方が多いのが現状です。
僕はできる限り2年間持つように整備していますが、2年間って短いようで長いものです。
その間にあなたは何度会社を往復しますか?
何度旅行に行きますか?
時には大切な家族を乗せて100キロとか出して高速道路を走ると思います。
よく聞く
「とりあえず車検なんて通ればいいや。 なるべく安く済まそう」
あなたの大切な家族の命を乗せる車ですよ。 あなたの大切な人は数千円、数万円をケチるくらいの価値しかないのですか??
価格ありきでお店を選ばないでください。
技術がない会社は他で勝負できないから価格で勝負するしかないんです。
前にも書きましたが技術がなく、殆ど点検していないような整備にお金払うのは勿体ないと思いませんか?
数千円プラスでもキッチリ整備してくれる方が断然僕はいいと思います。
そしてなるべく整備前・後には試乗してくれる整備工場さんがいいと思います。
人間慣れてしまうものですから毎日乗っていて少しづつ車が不調になっていっても体が慣れてしまって気が付きにくいものです。
プロは何十台・何百台と車を乗っていますから異変にすぐ気が付いたりします。
そういう意味でもしっかり試乗チェックしてもらうのがいいと思います。
自分の車を運転されるのってあまり良い気分がしない方も多いと思います。
なので、できればお店の整備を担当する方と一度話しをしてみて信頼関係がしっかり築けるのが一番ですね^^
僕は車もお話しも大好きなのでたくさん話しかけてください♪
ご相談にも乗りますのでお問い合わせフォームからご連絡いただいても結構です。
大切な愛車ですから、大事にしてあげてくださいね🐡